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実際にミスコンにエントリーしたけどすぐに辞退した理由

もともと私が以前していたnoteの記事を読みやすく書き直したものです。

実は、私は過去にミスコンに出場した経験があります。しかし、出場してすぐに辞退したので、その経験を記事にしてみました。

この記事では、私がミスコンに参加するきっかけや実際の経験、感じたモヤモヤや辞退しようと思った理由についてお話します。

私がミスコンに参加しようと思ったきっかけ

以前、あるミスコンのお誘いをいただきました。しかし、勝敗の主な決め手となるのがライブ配信で、それが面倒くさかったので私は断ってしまいました。その後、また別のミスコンのお誘いをいただき、そのミスコンでも主な勝敗を決めるのはライブ配信で、前回断ったように、今回も断ろうと考えていました。しかし、誘われているのは何かの縁かもしれない、自分が成長できる機会になるかもしれない、ライブ配信も面倒だと感じるだけでやってみたら意外とできるかもしれない、辞めたくなったらその時に辞めればいい、と思い軽い気持ちでミスコンに出てみることにしました。

 

ミスコンの勝敗の決め方

ここで、ミスコンの勝敗の決め方について説明します。私がエントリーしたミスコンでは、ライブ配信ポイント(投げ銭など)、Twitterのリツイート数、ウェブ投票、の3つのポイントの合計で勝敗が決まります。そして、得点の多い人から勝ち上がっていきます。多くのミスコンがこのシステムを採用しているのではないでしょうか。

私がエントリーしていたミスコンではMixChannel(ミクチャ)というライブ配信アプリを使用していました。ミクチャはコメントやアイテムを視聴者から投げてもらい、そのアイテムがコンテストのポイントに変換されます。つまり、ライブ配信でよりポイントを稼ぐには視聴者により好かれることがコンテストでの勝利に繋がるということです。

 

実際にライブ配信をしてみて思ったこと

ミスコンに参加すると決めた日から私は毎日欠かさず配信を続けました。毎日同じ時間の配信はできなかったのですが、それでも夜遅くに帰ってきて眠たい日でもメイクを直して配信したり、朝早くに起きて配信したりするなどして、なんとか毎日継続していました。

初めて配信をした日に見に来てくれた人は0人で、何これ大丈夫なのかなと不安になりましたが、人が見に来やすいように工夫しながら続けてみると10日間でファンが80人以上つきました(私が使っていたミクチャでは、登録することをファンになるというみたい)。

アイテムやポイントも投げてもらえるようになり、1日でレベルがかなり上がったこともありました。初めてのライブ配信をした日は視聴者が0だった私が、10日間で80以上のファンをつけることができるとは思ってませんでした。

そのため、毎日続けたことの結果なのだと思えばやりがいもありました。努力した分だけ結果に繋がるならそれは素敵だし、元から知名度がない限り全員が平等にイベントに参加できる点が魅力的でした。

現在ミスコンが問題視される一因である、外見の点数化や、SNS上のみで見える人格や外見の評価による単純な人気投票に対するアプローチとしてライブ配信があるのかなと思うと、ライブ配信自体には初めは好印象を抱いていました。

ライブ配信の内容は人によって様々ですが、多くの人がコメントに返事をしながら視聴者と画面上で話すというもので、私も適当に話したり料理したりしながらコメントに返事するような配信をしていました。

ミスコン向けにSNSを運用してみて

また、Twitterのリツイート数も得点としてカウントされるため、アカウントを作成する必要がありました。ミスコンに出てみてから知ったのですが、Twitterにはミスコンのコミュニティみたいなものがあり、ミスコン出場者のアカウントだけでなくミスコン応援専用アカウントなどがあります。

また、違うコンテストの出場者とも繋がることが多く、ミスコンの中での強い繋がりを感じました。私が実際にミスコン用にアカウントを作ってみて、相互フォローの風潮があることや、リプライは基本的に返すということなどを知りました。

辞退した理由

毎日続けていてある程度のやりがいも感じていたのですが、どうしても拭いきれなかったのが「女性として消費されている」という感覚です。「性的客体化」と呼んでもいいのでしょうか。私の場合、ライブ配信を見に来る9割以上が男性でした。ファンをつけることもでき、アイテムを投げてもらえ、そのような応援してくれる人たちのおかげでコンテストに勝てるなら、視聴者の性別は関係ないかもしれません。

しかし、私はそのもやもやがずっと消えませんでした。うまく説明するのが難しいのですが、女性としての存在を搾取されたり消費されたりしていると感じました。

例えばキャバクラだったら…

ミスコンと並べることではないかもしれませんが、キャバクラを例に挙げて考えましょう。キャバクラでは女性が男性客を接待します。多くの場合、女性はそれ相応の対価を得ています。例えば居酒屋のホールで働く場合、お酒や料理を提供することが主な仕事だとすると、キャバクラの場合、お酒を提供することに加えてお客さんと話すことも仕事です。そして、キャバクラのお仕事は居酒屋のバイトと比べると一般的にお給料はかなり良いと思います。

キャバクラに行く男性のほとんどは、お腹が空いたから食事をしてお酒を飲むためにキャバクラに行っているのではなく、女性と話したいからただ食事をするよりはるかに高いお金を払ってそこに行っていますよね。つまり、キャバクラに行く男性は自分と話してくれる女性に対してそれ相応の対価を支払っていると捉えることができます。そして、キャバクラで働く女性もそれなりの対価が欲しいからそこで働き、それなりの対価を手に入れているのではないでしょうか。

ライブ配信では、私より年上の男性がたくさんコメントをくれ、お話をします。すると、ミスコンのライブ配信を通して、私は男性を接待しているのだと感じるようになりました。さらに、ライブ配信を見に来てくれる彼らにはキャバクラのように対価を払う義務がないため、アイテムは投げずコメントだけ送る人も少なくありません。

ミスコンのシステムに共感できない…

配信中にアイテムを投げてくれる人もいますが、その人たちのおかげで私はミスコンの勝利に少なからず近づくことができ、それは極端な言い方をすると、男性に媚を売って気に入ってもらえればミスコンに勝てるということです。

ライブ配信をミスコンの勝敗決定の手段の一つとして考えた時、出場する女性は勝つために視聴者から気に入られるように振る舞うし、そうすると自然とライブ配信は女性とおしゃべりをしたい男性が対価の支払いの有無に関わらず女性に構ってもらえる場所なってしまう側面があります。配信に同年代の女性が遊びに来てくれることもあり、常に配信がそうなってしまうというわけではありません。ただ、ある側面では、上に書いたように、配信が女性に構われたい男性が女性と話すための場所になる場合もあると思います。私はそう感じました。

Twitterでのリプライは男性からのおじさん構文ばかりでした。他のミスコン出場者の女性のTwitterを見てみても、私と変わらず大量のおじさん構文のリプライを見かけることができます。さらに、ミスコンに対して本気で取り組んでいる女性たちは、全てのリプライに非常に丁寧にコメントを返していました。あああ〜〜って色々考え出したら止まらなかったです。

男性以外でもミスコンを盛り上げてくれている人がいることも、リプライをする男性が悪い人ではないことも理解しています。それでも、男性が女性をライブに行く、投票するなどの方法で応援し、女性はライブ配信やTwitterのリプ欄を通して応援してくれる男性を接待するという構図でミスコンは成立していると解釈してしまいます。

搾取されていると感じざるを得ない…

ミスコンに出ている人には、それを分かっていても気にしていない人、慣れたら苦じゃないと思っている人、そもそも気づいていない人、夢をかなえるために我慢している人など、いろんな人がいると思います。

私が出ていたミスコンは某有名雑誌掲載が約束されていたし、ミスコンによって様々な大きな賞品があり、ミスコンで勝てば自分の知名度を上げることができ、芸能界や有名になることを目指している人にとっては大きなチャンスかもしれません。

私は嫌なら辞めればいいという軽い気持ちで出場したので、それらの賞品は自分がその辛さやモヤモヤを乗り越えるモチベーションにならずすぐに辞退しました。

慣れたら苦じゃなくなるとしても私はそれに慣れたくないし、もはや本当にシンプルに向いてなかっただけなのかなとかも思うけど、他の女性は平気なのかな?と考えてしまって大変大変。

私がミスコンを辞退したのは、住所特定された出場者を見て自分の身バレが怖くなったからでもなく、配信に来て思ったのと違うと言われたからでもなく、配信がめんどくさくなったからでもなく、女性と関わりたい男性がそれ相応の対価の有無に関わらず女の子に構ってもらえ、それが女性のミスコンの勝利に繋がる構図に嫌気が差したからです。

実際にエントリーしてみないと私はこのことに気づけませんでした。

 

最後に

ミスコンはこれまで盛り上がりを見せる大きなイベントの一つとして扱われてきました。外見などの人気投票に賛否両論があり、廃止すべきとの意見もあります。そこで、ライブ配信を新しく評価基準に取り入れることで、努力がある程度結果として反映されるようになり、これまでの人気投票より公平性もあるかもしれません。

しかし、それが新たに別の問題を生んでいる可能性もあるのではないかな、、と私は思います。

私がこの記事で書いたことはミスコンのほんの一部で、ミスコンを否定したいわけでは決してありません。しかし、それでもミスコン存続の議論の余地はまだあるのではないでしょうか。

 

この記事を書いたヒナについて

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